神藏美子

たまきはる

神さまがいるとしたら、ここ。

『たまきはる』

大反響をよんだ前作『たまもの』から12年、愛を求め、死に立ち会う、葛藤の果ての私小説/私写真。聖書を巡る心の旅。

『たまきはる』へ、多くのコメントが寄せられています!

父の死のポートレイトには、愛が写っている。
父がつかってた歯ブラシで、歯をみがいて通夜
にでかけたカミクラに、アラキッス♥

荒木経惟さん(写真家)

人生のどうしようもなさを、
その中に光るいろいろな色形の小石の美しさを、
じっくりと見つめることができる本です。

よしもとばななさん(作家)

神藏さんの写真には、むき出しの人生があり、確かな時間が流れていて、
空はいつも晴れてはいないが、不思議にその中にいれば暖かさがある。
確かに自分もこの同じ世界に生きているのだと、また思わせられました。
そうした写真集は他にありません。

リブロ池袋本店 辻山良雄さん

『たまきはる』が出ることを知り、すぐに読みました。
遠くにあるようで実はそばにあるような、確かなようでおぼろげにしか
見えない大切なものの存在を感じ、体中に静かな電流が走りました。
この本はできるだけ早く読むことをおすすめします。
前作から12年かけた神藏さんから得るものは、あまりにも大きいと思い
ます。

SPBS 鈴木美波さん

神藏が、率直に、ストレートに、心情を吐露するこの写真集は、
“私”を再生する、“生”の物語である。生きてゆくことは、なんと切ないことか。
生みの苦しみの末、この世に生を受けた『たまきはる』。
心に刻まれ、心を揺さぶられる写真集である。

内田真由美さん(アート・コーディネーター)

12年というスパンが、“たまきはる”を、
さまざまなレイヤーでとても深いものにしていると感じました。
一言、凄い、本です。

森山大道さん(写真家)

『たまきはる』には、死や、いなくなった人や、失われたものがたくさん映っていて、
そこにはすぐに触れそうなほどのリアリティしかないはずなのに、
こんなにも「見えないものが映っている」と感じるのはどうしてでしょう。
すべてのページに、まるで童話や物語のなかにしか存在しないような、
穏やかな光の温度を感じます。

川上未映子さん(作家)

さみしい、愛したい、しあわせになりたい。赤裸々なまでに綴られる、
孤独の叫び。
それはあまりに純粋すぎて、個人の葛藤をこえ、読む者の胸をなぶり震わす。
写真と文章で切り出された魂そのままのかたち。

紀伊國屋書店新宿本店 今井麻夕美さん

生きて死ぬ。その単純な営みを美化しない。
日常に祝福を求めようとするエゴに自戒を込めて
「それでも生きてくしかねんだよ」とタフに笑いかける。
神藏美子の写真はそういうものだ。しぶとくやろう。霧ははれる。
人生の辻辻で読み返すことになりそうな一冊。

ブックス・ルーエ 花本武さん

一家に一冊たましひの常備薬

上杉清文さん(劇作家・日蓮宗本国寺住職)

沢山の言葉の中に、
今の自分の持ってる苦しみや疑問への答えがあったと思いました。
私のこれからの人生に影響を及ぼしてくれる本です。

町田マリーさん(女優)

生きるって、おもしろいですね。真剣に生きるということが載っていました。
とても大切な本、これからも折に触れ開く本になりそうです。
田中小実昌さんや千石さんの言葉、好きなものがたくさんありました。
2010年元旦の末井さんの写真、大好きです。
制作、ほんとうにお疲れさまでした。
このような作品のなかに一瞬でも綴られたことがなによりうれしいです。

中村チンさん(農家・僧侶)

「生」と「死」の本ですが、
写真の中の死にゆくものも生きているものもなんかギラギラしている。
寺山修司なんか一番はじめに死んでいるのにすごくギラギラしている。
写真はこわい、と思うと同時に、やはり神藏さん本人がギラギラしていると思うしかない。
何回も読んでギラギラをわけてもらおうと思います。

河井克夫さん(漫画家)

美子さんの写真と文章は、まっすぐで、うそがない。
だから、心の奥までつきささって涙が出るのかもしれないです。
『たまきはる』を作ってくれて、ありがとう。
12年間の、美子さんの、悲しみや苦しみや愛が、
たくさんの人の心の中に入りこんで、
いろんな気持ちになって、またちがう人に伝わっていくような気がします。

塚田佳奈さん(デザイナー)

『親密』を切望している自分に気づかされ、涙しました。
自分の欲望とまっすぐに向き合って生きている神藏さんの写真と言葉には、心を鷲掴みにされます。
『たまきはる』は私の心のバイブルとして、道に迷った時に何度も開くことになりそうです。

ペヤンヌマキさん(ブス会*主宰・劇作家・AV監督)

メディア掲載情報

神藏美子『たまきはる』関連記事掲載
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救いはあるのだろうか。寂しさの果てに、人が救われることなんてあるのだろうか。
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「たまきはるー父の死」NADiffギャラリー展覧会告知
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(齋藤陽道)
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極私的写真家と伝説の編集者、スキャンダラスな夫婦の絆(島崎今日子)
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平成夫婦善哉 夫・末井昭と夫婦対談(朝山実)
『週刊サンデー毎日』2015年2月15日号 書評
きりきりと内に向かう言葉を、写真がなだめ、限りなく吸収している。文章が必要かどうかなどといううろんな話をしているのではない。膨大な量の言葉を、業のようにして原罪を引き受ける覚悟をえた写真が飲みこみ、浄化していることに圧倒される。『たまきはる』が創り出す物語の強度は、そこにあると思う。
(平松洋子)
『週刊新潮』2015年3月5日号 書評
撮りながら、書きながら、聖書を読みながら生の深淵に降りていく本書を、「私写真」とくくるのは簡単だが、「文学作品」として文学賞の俎上に載せるほうがおもしろい議論になるだろう。
(大竹昭子)
『朝日新聞』2015年3月15日 書評
極私的な交友や活動の断片のような写真のすべてに映っているのは、神様を、愛を乞う彼女のまなざし。読み終える頃にはきっと愛する人の幸せを、祈りたくなる。心から。
(内澤旬子)
『東京新聞』2015年3月29日 3冊の本棚
「『宗教』という言葉は、わたしたちから神さまを遠ざけて、わからなくして、感じられなくしてしまったのか」。ズキンと胸に来る言葉でした。写真をじっと見ているうちに、ここに写る人々の視線の向うに、神さまがいるような気がしました。
(中江有里)